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大腸内視鏡検査の鎮静剤使用について

大腸内視鏡検査の鎮静剤使用について
投稿日
2023.08.28
更新日
2023.10.05

大腸に内視鏡カメラを入れる際の痛みや苦痛を軽減するために、鎮静剤を投与して眠った状態で内視鏡検査をするという方法があります。

当クリニックでも鎮静剤ありの大腸内視鏡検査に対応しており、初診の際に鎮静剤を使用したいかをお尋ねしています。最近では、鎮静を希望する患者さんは全体の約4割ほどでしょうか。鎮静なしで検査を希望される人は、検査後に早く帰りたいとか、眠るのが怖いという理由が主なようです。

中には鎮静と麻酔を混同されていたり、目覚めなかったどうしようと心配される人もいるので、今回は大腸内視鏡検査における鎮静剤の使用についてご説明したいと思います。

 

大腸内視鏡検査で鎮静剤を使用するとどうなるか

内視鏡検査をする前に鎮静剤を投与すると、検査の間に意識がなくなりますがこれは眠った状態と同じです。たとえ体は刺激を感じていても、眠っているので覚えていません。検査に対して恐怖感があるとか、痛いのが不安という人は、鎮静をすることで楽に検査が受けられます。鎮静から覚めたあとに、頭痛や吐き気などの副作用が見られることはほぼありません。

注意点としては、検査後に目が覚めるまで休んでいただく時間が必要なことと、当日は車や自転車の運転ができないことです。

 

使用する鎮静剤の種類について

鎮静剤は大腸内視鏡検査の間の苦痛が軽減できればいいので、カメラを入れる5分くらいの間だけ眠っていられればよく、強すぎる薬は使用しません。

現在よく使われている鎮静剤はドルミカムです。こちらは効きがよくて切れがいい薬です。以前はセルシン、ホリゾンが一般的で、歴史も古いし薬剤も安価のため、私も最初はこちらを使っていたのですが、この薬は効きが弱いわりには切れが悪いなと。目覚めても半日くらいボーッとしてしまうこともありました。そのため、鎮静の状態を解除するためにアネキセートという薬も同時に使って目覚めさせる方法もあります。でも2種類併用するくらいなら最初から切れがいい鎮静剤を1種類使った方がいいと考えて変更しました。

私は外科出身で麻酔管理も長くやっているので、経験でどの薬がどのくらいで切れるか感覚的にわかるのですが、最近は鎮静剤を入れての内視鏡検査を希望される患者さんが多いため、麻酔の経験が少ない内科の先生も鎮静剤を使うことがあります。経験がないと検査の途中で切れるものよりも長く効いているもののほうが安心なので、昔から用いられている薬を使いたがる傾向にあります。そうすると、効きすぎて検査が終わっても目覚めるのが遅くなります。過去に鎮静剤ありで検査を受けて目覚めが悪かったという人は、鎮静剤の種類による可能性もあります。

 

鎮静剤の量は患者によって異なる

鎮静剤を投与する際には、患者さんの身長や体重、年齢などを考慮して薬の量を決めます。

お酒が強かったり、不眠で精神科の薬を常用している人に多いですが、普通の人なら爆睡する量を入れても全然眠くならないという人もいます。そのため普段飲んでいるアルコールの量だとか、薬の量と質を見て鎮静剤の量を調整しています。これらのヒアリングをして、効きにくそうだなという人は最初から鎮静剤の量を多くするのではなく、徐々に増やしていきます。効きにくい人を眠らせる量というのも経験でわかっているので、その場で患者さんの様子を見ながら決めています。

 

鎮静の一歩手前、半抑制状態で暴れることも

鎮静剤の効きが甘いときに、たまに暴れる患者さんもいます。爆睡する手前に半抑制という状態になるのですが、この状態だと自我がなくなります。体は刺激を感じる状態で自我がなくなるということは、普段抑えているパワーを全開にして徹底的に抵抗するということです。まだ検査前のカメラを肛門に入れる刺激だけでひどく暴れたりします。肛門から何かを入れることなんてそうそうないですから抵抗感があるんでしょうね。力の弱い人ならまだいいのですが、体格の良い男性などは力が強いので暴れられると大変で、看護師だけでは押さえられないほどです。それでも検査を続行できるように鎮静剤を追加しても、興奮状態なのでなかなか効きません。そんな状態でもなんとか眠ってもらって検査をします。ただ、検査時には大暴れした人も、目覚めると全く記憶がないようです。女性で暴れる人は少ない印象なのですが、男性が皆こうなるわけではありません。だいたいの人は通常の量でスーッと眠り、眠ったまま検査を受けて、検査後にはパッと目覚めます。

 

鎮静剤の投与で呼吸が止まるケース

これはまれなケースですが、90歳ぐらいの高齢の方は鎮静を使いすぎると息が止まってしまうことがあります。経験豊富な医師の場合は、そのような事態になっても気管内挿管で人工呼吸の処置ができますが、医師によってはそのような処置までできないこともあるので、なるべく避けたいと思っている人もいるかもしれません。

鎮静というのは全身麻酔の手前の状態です。麻酔は呼吸まで止めるけど、鎮静は短時間眠らせるだけです。そもそも麻酔というのはなぜ効くのかはっきりわかっていないということをご存知ですしょうか? 脳のどこかに効いていることは分かっていますが、どのような薬理作用でどの細胞に効いているかまでは明らかになっていないのです。多くの医師たちが経験を重ねてノウハウの蓄積があるから使えている技術です。

上のような事例があるからと言って、むやみに鎮静を怖がる必要もないと考えます。治療の痛みをなくすために麻酔をするのは一般的です。歯の治療だって、麻酔なしで削ったら痛くて「どうして麻酔を打ってくれないんだ!」と患者さんが怒るはずです。検査にも苦痛があるなら、その軽減のために鎮静することは特別なことではありません。これからはどこの施設でも検査時には鎮静することが当たり前になるのではないかと思います。一度、鎮静ありの検査を経験した患者さんは、もう鎮静なしの検査はしたくないと言います。やっぱり眠っている間に終わってしまうのは楽ですから。

 

鎮静なしで大腸内視鏡検査を受ける場合

内視鏡検査時の鎮静は怖がらなくてもいいですよと言うものの、それでもなるべく意識のある状態で検査を受けたいとか、鎮静剤が効かないかもしれないと心配な人もいるでしょう。そのような人は当院のようにカメラ挿入の技術で痛みのない検査を心掛けているクリニックを選んでいただきたいと思います。

私はこれまで痛みの少ない内視鏡カメラの挿入法を研究し続け、延べ1万人以上の内視鏡検査を行ってきました。内視鏡検査は長い時間をかけるとそれだけ患者さんの負担になりますから、ほとんどの医師はなるべく早く奥まで入れようとします。この際にぐいぐい入れると痛みが生じるのです。この痛みはカメラの挿入法を変えることで軽減することができます。ぶつからないように、引っかからないように速やかに最深部まで挿入することができれば痛くなく、あっという間に検査が終わります。

 

以前に当院で検査をした患者さんが、少し挿入が難しい腸の形をしており、過去に別の病院で内視鏡検査を受けたときにとても痛かったということで、当クリニックの検査では鎮静を希望されました。ただ、お酒がとても強い方で鎮静を入れてもうつらうつらとした状態にしかならなかったんです。もし痛みが強かったら追加で鎮静剤をと思いましたが、患者さんの様子を見たところ全く痛くなかったようで鎮静剤を追加せずに検査が終わり安心しました。このように、過去の検査が痛くてトラウマになっている人や初めての内視鏡検査で不安がある人はお気軽に当院にご相談ください。

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近間 威彦
ちかま たけひこ

さっぽろ駅前内科・内視鏡クリニック院長。内視鏡による胃や大腸の検査・治療を得意とし、これまで携わってきた長年の診療経験から、大腸がんが原因で亡くなる方を減らしたいと常日頃から技術の向上と情報発信に努めている。

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