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大腸がんの症状と早期発見事例について

大腸がんの症状と早期発見事例について
投稿日
2023.08.11
更新日
2023.10.05

大腸がんは早期のものだとほとんど自覚症状がありません。進行してがんが大きくなると症状が出始めます。もし大腸がんになったとしても、手術で取り切れれば命の危険はありません。症状がありながらもがんがあることに気づいていない人もいますので、今回は大腸がんの症状と早期発見できたケースをご紹介します。

大腸がんの主な自覚症状

大腸がんの自覚症状として主なものは、血便、便秘、下痢、お腹の張り、便が細くなる、便が出し切れていない感じがする、貧血、腹痛、嘔吐などです。ここまで具体的な症状がなくても「何となくお腹が変な感じがする」という場合もあります。

大腸内でがんが大きくなることで腸が狭くなったり、便がこすれて出血し、これらの症状に繋がります。

外側からお腹を触ってしこりがわかるほどの大きさだと拳大くらいまで進行しています。小さなしこりだと触診でも腸が動いて逃げてしまうのでほぼわかりません。

がんができる部位で症状が異なる

大腸は長い管のため、がんができる部位によって症状が異なります。

お腹の右側、小腸に近い上行結腸部分に大腸がんができてもまず便秘になることはありません。なぜならそのあたりの便はまだドロドロで固くないので、腸がかなり狭くなって完全に塞がるまで詰まることがないからです。狭くなったときにキノコを丸呑みしたり、こんにゃくを大量に食べたりすると詰まることがありますが稀なケースです。また、この部分のがんからの出血は便に混ざる頃にはどす黒くなってしまうので、かなりの量が出ていないと血として認識できないでしょう。便の中の潜血がわからなくても貧血として症状が出る場合があります。

お腹の左側、下行結腸やS状結腸部分だと普通の固い便になってくるため詰まって便秘が発生します。肛門に近いので出血していると便に赤い血が混じっているのが目で見てわかります。

症状がなくても大腸がんが発見された事例

症状がほぼなくて大腸がんが見つかる事例では、会社の健康診断の便潜血検査で陽性反応が出て、大腸内視鏡検査を受けた場合でしょう。1~2cmの小さいがんだとほぼ症状が出ないので、健康診断がなければ気づかなかった人たちです。全く症状がなくて受診・検査になると健康保険が適用にならないので、あえて何かの症状を申し出ているのかもしれない可能性もありますが、ほとんどは本当に症状がある人だと思われます。家族や友人、会社の人などが大腸がんになって「もしかして自分も?」ということで受診されることもあります。自分ががんになるなんて考えもしなかったけど、病気が身近なものになると、痔だと思っていた出血やちょっとしたお腹の不調が気になって病院に行くというケースです。

男性の貧血症状で大腸がんに気づいた事例

女性は月経があるので貧血気味の人も多いのですが、男性で貧血の症状がある場合は胃がんや大腸がんを疑ってください。当院でも貧血がきっかけで大腸がんが見つかった患者さんがいます。元は高血圧の症状で通院されていましたが、貧血の症状があってずっと鉄剤を飲んでいるとの話がありました。以前に通院していた病院で原因を調べたかと聞くと、貧血については調べていないと。鉄剤を貰えれば症状は気にならなくなるのでと言っていましたが、これは怪しいと思い、胃と大腸から出血していないか調べるために内視鏡検査を勧めました。でもなかなか検査を受けてもらえなくて。なんとか胃内視鏡の検査を受けてもらいましたが異常は認められず。次に大腸内視鏡検査に進みたかったのですが断られて。本人としては鉄剤だけもらえれば問題なく生活できると思っているわけですから、面倒な検査はやりたくなかったんでしょう。でも私はこれは危険な貧血だと思った。数カ月くらい説得して、やっと大腸内視鏡検査を受けていただけて、やはり大腸がんが見つかりました。

その方は手術してがんが取り切れたので回復して普通に暮らしています。「あのとき検査してもらってよかった!」っておっしゃっていました。私も説得のかいがあったなと思います。

「いつもの便秘」は大腸がんが隠れている可能性も

大腸がんが原因で便秘になる人がいます。大腸にがんができて大きくなると腸が狭くなって便の通りが悪くなるのですが、腸は動くのでたまに通りがよくなって便通があります。便秘は徐々に進行するので、「最近便秘ぎみだな、野菜が足りていないのかな?」ぐらいで様子を見てしまう人もいる。全く出なくなって詰まるところまでいくと緊急手術になってがんが見つかるんですが、そこまでの状態じゃなければ人は慣れてしまうものなんですね。体質や食習慣のせいだろうと軽くみている便秘の裏に、大病が隠れていることもあるから注意が必要なんです。

大腸内視鏡検査の前に腸を空にするための前処置をするのですが、便秘がひどい人はこの前処置で具合が悪くなることもあるので、検査前の問診で必ずヒアリングをしてより注意して検査を行ったり、大きな病院で検査を受けてもらうようにしています。ひどい便秘の人や高齢の方は、まずは内視鏡検査が可能かを先にCT検査で確認することが一般的です。

ひどい便秘がきっかけで大腸がんが見つかった事例

大腸がん検査を希望された患者さんで、前処置に腸管洗浄剤を飲んでもらったんですが、飲みきれず戻してしまって大腸内視鏡の検査はできなかった。これはおかしいからと大きな病院でCT検査してもらったところ、S字結腸に大腸がんが見つかりました。

でもその患者さんは、大腸がんだと診断されても親の介護があって、面倒を見ている自分が入院するわけにいかず、なかなか手術する日が決まらなかったのも心配でした。そういう事情がある人もいるというのはわかってはいるのですが、せっかく早期に発見できたなら一日も早く手術をしてほしいです。今は核家族化でもしものときに頼れる人が少ないので、介護や子育てをしていると自分の代わりに面倒を見てくれる預け先が見つからなければ入院もできない、そういう患者さんも増えてきていると思います。このような事情を抱える人たちがまず自分の命を優先できるように、患者さんが速やかに入院・手術ができるサポートをしてくれる民間サービスができるとありがたいですね。

大腸がんの早期発見のためには大腸内視鏡検査が確実

大腸がんで死なないためには、いかに早く見つけるかがポイントです。長寿な日本人にとって大腸がんは珍しい病気ではなく誰でも罹る可能性があります。ならないための予防策は、腺腫(大腸ポリープ)ががん化する前に切除することのみ。がんの状態になっても早期に発見して取り切るのが最も有効な治療なのです。そのためには大腸内を直接カメラで見る大腸内視鏡検査を受けていただくのが確実です。大腸内視鏡検査であれば色なども観察できるので、凹凸のない平坦なタイプの大腸がんも発見できる確率が上がります。小さな腺腫であれば、検査と同時の切除できるので体への負担も、金銭面の負担も最小限で済みます。

先に申しました通り、早期の大腸がんは自覚症状が少なく、手術できる状態で発見されるのは幸運なことです。大腸がんは年齢が高くなるほどに罹患する確率が上がりますから、何の症状がなかったしても40代で一度も大腸内視鏡検査を受けたことがない人は、必ず受けに来てください。大腸がんが見つかったとしても、早期発見・治療をすることで、また普通の生活に戻れることができるでしょう。

私は患者さんに少しでもがんの可能性がある場合は必ず大腸内視鏡検査を勧めます。私は専門家であり、大腸がんで死ぬ人をゼロにするのが使命と考えているからです。最終的に検査を受けるかどうかは患者さんに決定権がありますので無理やり検査はできませんが、かなり強く勧めますので、健康寿命を延ばしたい方はぜひ大腸内視鏡検査を受けてください。

まずはお気軽にご相談ください

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近間 威彦
ちかま たけひこ

さっぽろ駅前内科・内視鏡クリニック院長。内視鏡による胃や大腸の検査・治療を得意とし、これまで携わってきた長年の診療経験から、大腸がんが原因で亡くなる方を減らしたいと常日頃から技術の向上と情報発信に努めている。

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