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大腸がんを見逃さないために。便潜血検査と大腸内視鏡検査の役割

大腸がんを見逃さないために。便潜血検査と大腸内視鏡検査の役割
投稿日
2023.01.12
更新日
2023.02.17

便潜血検査とは

便潜血検査とは大腸がんの疑いがある人をスクリーニング(ふるい分け)するための検査です。便の採取が1回のみだと、大腸に癌があってもたまたま出血していなかったということもあるため、現在は便を2回採取する2日法が一般的です。なお「便秘がちで毎日出ない!」という方は3日間のうちから2日分採取できればOKですが、固い便を頑張って出そうとすると肛門が切れて出血し陽性反応が出てしまうこともあるので、日頃から繊維質が豊富なメニューをしっかり食べて水をたっぷり摂り、いい便を出せるように体を整えておくとより確実な検査が期待できます。

検査費用、検査の確実性について

便潜血検査は会社や自治体が行う検診の項目の一つとして設けられています。通常の検査費用は1000円~2000円ほどかかりますが、会社等に属していない方も自治体が行う検診事業であれば安価で検査を受けることができます。

札幌市民の場合、40歳以上の方は1年に1回、400円で検査が可能です。

実際に便潜血検査がきっかけで大腸がんが見つかる人もいますし、検診事業としてはとても有意義なものだと思います。ただ正直なところ、検査としては確実性が低いと考えています。

大腸がんを発見するための2つの健診

行政や組織が行う「対策型検診」

便潜血検査は主に「対策型検診」として行われます。対策型検診は行政や組織が集団全体の死亡率減少を目的とした公共的な予防対策です。

病気の自覚症状がなく病気になる心配もまったくしていない人に、健康の維持のために受けに行ってもらうものです。ただ、早期大腸がんは出血がみられないこともあるため、腸内に癌があったとしても便潜血検査では50%ほどの人しか陽性になりません。つまり検査を受けても半分の人は大腸がんを見逃されていることになります。便潜血検査が陰性だからといって癌がないとは限らないのです。

病院や人間ドック施設が行う「任意型検診」

一方、病院や人間ドック施設で行う検査は「任意型検診」にあたります。

これは個人が自分自身の死亡リスクを下げるために自発的に受けに行くものです。ご本人が「病気がないか調べてください!」ということで来院されますから、私は徹底的に調べるために確実性の高い内視鏡検査を提案します。病気を見つけるという目的として便潜血検査では中途半端で意味がないからです。

内視鏡検査とバリウム検査の違いについて

まれに「内視鏡カメラを入れるのは辛そうなのでバリウム検査をできませんか」ときかれることもありますが、バリウム検査もお腹が張ったり検査後の排便に苦労してトイレに籠もったり(さらにトイレが詰まったり)と長引く辛さがありますし、その割に確実性は内視鏡検査よりも劣るのでお勧めしていません。バリウム検査をしても正確な情報が得られず、結局、カメラを入れようかということになり「それなら最初からカメラだけでよかった」となることが容易に想像できます。

結局のところ癌があるかないかを調べるための最善の方法は腸の粘膜をカメラで直接観察するのが確実なのです。

自己判断で精密検査を受けないのはNG

もし便潜血検査で陽性が出たら、大腸内視鏡検査を受けて異常なしと診断されるまではずっと「大腸がん疑い」の状態であると思っていてください。

たまたま肛門が切れただけ、痔を患っているだけ、ポリープくらい誰にでもある…などと自己判断で精密検査を受けないでいると、初期のがんだったものがどんどん大きく根が深くなり、治療が難しくなる可能性があります。便潜血検査が陽性で精密検査を受け、大腸内視鏡カメラでポリープが見つかり切除、組織検査に回したところ早期の癌であったということも珍しくないのです。こういった患者さんは自覚症状が何もなく、便潜血検査で陽性が出なければ受診することはありませんでした。

検査結果を素直に受け止め自分の体と向き合うために行動したことで確実に寿命を延ばすことができたのです。

健康診断で異常があれば精密検査を受けましょう!

腸の病気だけに限りませんが、健康診断で何らかの異常が認められた方は速やかにしかるべき精密検査を受けましょう。健診を受けても数値がよかった&悪かった自慢をするだけで改善する気がないなら、健診に関わる人的資源、物的資源の無駄使いです。

精密検査の痛み、所要時間について

厳しいことを申し上げましたが、精密検査を拒否する人にも何らかの理由があるのだと思います。

例えば、検査が辛いと聞くので勇気が出ない、検査の費用がもったいない、仕事を休むことで周りに迷惑をかけたくない、病と向き合うのが怖い。考えられるのは主にこのようなことでしょうか。まず、大腸内視鏡検査の辛さは医師の経験値や技術、本人の腸の形状、鎮静剤の使用の有無によって異なります。

身近な年上の人から「大腸の検査は辛いぞ~」などと脅されることもあったかもしれませんが、それはあくまでその人のケース。

内視鏡治療は設備も日々進歩していますし、熟練の技術を持った医師であれば患者さんの大腸の形に合わせて痛くないようにカメラを操作することができます。異常がなければ6~10分程度で終了するでしょう。

私が担当する患者さんは鎮静剤を投与しなくても「痛みもなくあっという間に終わった」という方がほとんどですが、どうしても怖いという方は鎮静剤を用いることも可能です。ごく短時間眠ったような状態になり気づいたら検査が終わっていて驚く人もいます。

精密検査費用について

検査の費用は健康を維持するために必要な自己投資だと思いましょう。なお便潜血検査で陽性になり精密検査を受ける場合や何らかの自覚症状があるときは保険適用になります。胃腸の不調は長く続くと慣れてしまいがちなので自分は普段通りだと思い込んでいる人もいますが、しばしば便秘や下痢ぎみになったり、ガスが溜まってすっきりしないなど腹部に違和感があるというのは立派な(?)自覚症状ですので、その旨を必ず医師にお伝えください。

仕事を休むと周りに迷惑がかかると心配な方は、本当に半日たりとも休めない状態なのかスケジュールを見直しましょう。社会人として自分の健康管理も仕事のうちです。

最優先で予定に入れるつもりで仕事の調整をして検査を受けてください。こういうときはお互い様なので休みが取れるなら遠慮せず取りましょう。当院では、日曜日でも大腸カメラを受けることができます。病気を放ったらかしにして突然倒れて迷惑をかけるよりだいぶマシです。

ちなみに鎮静剤を投与すると車の運転ができませんので、仕事で運転をされる方はご注意ください。

検診および早期の治療が健康寿命の伸ばすカギ

病と向き合うのが怖いという方は、その考えが逆に自分の命を縮めていると自覚してください。年を取れば誰でもどこかにガタが来て、そのうち壊れて動かなくなります。いつかはそれに向き合う日が来るのです。健康診断で引っかかったということは、おそらくどこかが不調なのです。小さな不調を放っておくと使いにくいし壊れるのも早い。

まずは自分の体のことを把握して長持ちする上手な使い方を知りましょう。そのために定期点検をしながら適宜メンテナンスを行うのです。それが検診および早期の治療です。すると治療の負担も最小限で済みます。

あなたとあなたの周りの人のために自分の健康寿命を延ばし、体と上手に付き合いながら人生をより長く楽しんでください。

内視鏡検査で恥ずかしがる必要はありません!

さて、これでもう内視鏡検査を受けない理由がなくなったのではないですか。

まだ理由があるとすれば「お尻を見られるのが恥ずかしい」でしょうか。若い方などは特に普段は人に見せないところを見られるのは抵抗があるのかもしれません。しかし安心してください。口は消化器の入口で肛門は出口、それだけです。私は年間1000件以上も大腸内視鏡検査を行っていたのですっかり見慣れています。皆さんは歯医者に行って「口を開けるのが恥ずかしい」と思いますか? ためらわずに大口を開けている人が多数なのではないでしょうか。それと一緒です。気にしないでください。腸は自分では見えない部分です。だからこそ信頼のおける専門医を見つけてチェックしてもらいましょう。

当院では、大腸カメラのときには、検査着に着替えてもらい、スリットの入った検査パンツをはくので、おしりが丸出しになることはありません。

大腸がんは死に至る恐ろしい病ですが、早期の段階で切除ができた場合は5年生存率が90%以上、その後の経過も極めて良好なことが多い治癒の可能性が高い癌です。早く死にたくなければ年齢に関わらず定期的に内視鏡検査を受けてください。来院をお待ちしております。

まずはお気軽にご相談ください。

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近間 威彦
ちかま たけひこ

さっぽろ駅前内科・内視鏡クリニック院長。内視鏡による胃や大腸の検査・治療を得意とし、これまで携わってきた長年の診療経験から、大腸がんが原因で亡くなる方を減らしたいと常日頃から技術の向上と情報発信に努めている。

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