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大腸がんの早期発見のために。大腸検査方法の比較

大腸がんの早期発見のために。大腸検査方法の比較
投稿日
2023.07.27
更新日
2023.08.18

「健康診断の便潜血検査で陽性と言われ、精密検査を受ける必要がある」

「大腸がんは自覚症状がないと聞き、不安だからがん検査を受けたい」

など、大腸がん検査を受けたいと考えている方がこのページをご覧になっていることでしょう。

大腸がんの検査にはいくつかの方法がありますので、今回はそれぞれの検査方法について解説したいと思います。

 

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

大腸内視鏡検査は、先端に超小型の高性能カメラがついた細い管を肛門から挿入して、映像をモニター画面に映し、大腸内にがんやポリープ、炎症などがないか観察します。

精密検査の中で大腸がんを見つけられる感度が最も高いので、大腸がん検査としてはこの内視鏡検査が第一選択とされています。

メリット/色の違いがわかり平坦なタイプのがんも発見しやすい・異常な病変の組織を採取してすぐに生検に回せる・がん化の可能性がある良性ポリープを検査と同時に切除できる(ポリープの大きさにもよります)

デメリット/検査前に腸管洗浄剤を服用し便を出し切る必要がある・内視鏡の挿入時に不快感や痛みが出る場合がある・内視鏡検査ができる施設が限られる

内視鏡検査中の痛みの度合いは、検査する医師の技量によってかなり差が出ます。上手な医師であれば痛みを感じずに検査を終えることができるでしょう。

 

大腸CT検査(CTコロノグラフィー)

低線量のX線で腹部を撮影した3次元画像を見て診断します。最近では高精細に腸の形を映し出すことができるようになり、ある程度の大きさのポリープの有無などは確認できますが、内視鏡検査よりは得られる情報は少ないです。内視鏡の検査をするのには抵抗がある患者さんでも負担の少ないCT検査なら受けてもいいという場合もあるので、そのような方はひとまずCT検査を受けていただくことがあります。

メリット/検査の痛みがない・腸管洗浄剤の服用が少量で済む・ひだの裏側も確認できる

デメリット/平坦なタイプのがんは発見しにくい・色、出血、硬さの観察はできない・病変の切除や組織採取ができない/少量だが被ばくを伴う

 

大腸カプセル内視鏡

カプセル型の内視鏡を水と一緒に飲み込み、5~6時間ほどかけて腸の内部の画像を撮影していく検査です。撮影された画像は患者さんの体につけたセンサーを経由して記録装置に転送される仕組みです。

カプセル内視鏡は主に口からも肛門からも遠い小腸の検査の負担を軽減できるため用いられるのですが、大腸用もあります。通常の大腸内視鏡検査を受けるのが困難な方(開腹手術の既往歴があり内視鏡カメラが入らないなど)の選択肢として存在しているものの、高額な検査費用(自費で約11万)であり、一般的な大腸であれば肛門から内視鏡を入れて検査をしたほうがメリットは多いので、広くは普及していません。

メリット/消化管を通過するときの痛みがない・カプセルの通過中は普段通りの生活ができる

デメリット/検査前に腸管洗浄液を服用し検査後にもカプセルを排出しやすくするための下剤を服用する・病変の切除や組織検査ができない・カプセルの移動任せのため見落としの可能性がある・検査費用が高い

 

注腸造影検査(バリウム)

肛門からバリウムを入れてX線を当てるレントゲン検査です。検査費用も安く、大腸内視鏡検査が一般的になる前はメジャーな検査方法でしたが、内視鏡検査と同じくらいの手間や不快感がある割にはメリットが少ないので、現在は大腸がん検査のために注腸造影検査のみを行うことは推奨されていません。

メリット/内視鏡検査の専門医がいない病院でも検査ができる・検査費が安い

デメリット/検査前に腸管洗浄剤を服用・精度が低く小さな病変は発見できない・被ばくを伴う・検査後の排便が困難

 

便潜血検査について

会社の定期健康診断などで行う便潜血検査は、大腸がんの疑いのある人をスクリーニング(ふるい分け)するための対策型検診です。集団全体の死亡率を下げる予防対策としては意味があるものの、大腸がん検査としては意味がありません。

ネット通販などで「自宅でできる大腸がん検査キット」として販売されているのを見かけますが、腸内にがんがあったとしても便潜血検査で陽性になるのは50%ほどです。陽性と言われた方はもちろんのこと、大腸がんの有無を調べたい方は大腸内視鏡検査などの精密検査を受けてください。

 

大腸内視鏡検査で注意が必要なケース

大腸がん検査として非常に優秀な大腸内視鏡検査ですが、患者さんによっては推奨されない、または検査にあたり注意が必要なケースがあります。

① 高齢(80歳以上)の人

高齢の方は、大腸内視鏡検査の前処置で腸管洗浄剤を飲んだり排便を繰り返すことの体への負担が大きいです。もし大腸がんが見つかった場合に手術や治療ができるのかも含め、医師とよく相談し

ましょう。

② 開腹手術の既往歴がある人

大腸の手術じゃなくとも、例えば子宮の病気などで開腹手術を行った場合、腸に癒着が起こることがあり、癒着があると内視鏡が通りにくいため、上手な医師じゃないと大腸の深部まで入れられないことがあります。心当たりのある方は内視鏡の操作が上手で経験豊富な医師のいる施設で検査を受けると検査の痛みや苦痛を最小限にすることができるでしょう。

➂ 腸の形が特殊な人、小柄で痩せ型の人

生まれつき腸の形が特殊な人の場合や、狭いところに腸が折りたたまれている小柄な人の場合も、内視鏡が入りにくい傾向にあります。こちらも普通の腸の人よりも慎重に挿入をしなければならないので上手な医師に検査をお願いしたほうが安心です。

④ 便秘の強い人

便秘が強い場合、腸管洗浄剤の服用で嘔吐や腸閉塞などの体調不良が起こることがあります。もしものときのためにも、これらの前処置を入院して行える病院で内視鏡検査を受けることをおすすめします。

 

内視鏡だから発見できることが多い

つい先日、私が行った胃の内視鏡検査で希少がんといわれる十二指腸がんを見つけました。

内視鏡カメラで観察した際、ポリープが妙に赤くなっていることにピンときて基幹病院へ紹介し、十二指腸がんと判明し切除していただきました。

十二指腸がんは症例が少なく、患者さんの自覚症状もありません。

位置的にカメラを少し奥まで入れないといけないのでとても見つかりにくいがんですが、病変を直接観察できる内視鏡検査は(きちんと見つけられる目を持っている医師であれば)やはりがん発見の精度が高いと感じました。

大腸内視鏡検査が難しい場合や患者さんの拒否感が強い場合は他の検査を行いますが、検査でがんの疑いがあった場合は結局、内視鏡検査をすることが多いです。

何度も検査をするよりは一度で終わったほうが時間もお金もかからず患者さんにとっても負担が軽いと思いますので、大腸がん検査の際には大腸内視鏡検査を選びましょう。

大腸内視鏡検査をお願いする病院選びで重要なのは、検査する医師の技術力と経験値です。

大腸がん発見のための大腸内視鏡検査は多くても年に1回、ポリープなどもなかった場合は3年に1回を推奨しています。

治療目的でしょっちゅう通院するならば、人当たりがよくて話しやすい医師がいいかもしれませんが、大腸内視鏡検査は医師の技術力の差が激しく、下手な検査だと大変苦しい思いをします。

検査中にどんなに優しい励ましの言葉をかけても患者さんの痛みはなくなりません。それなら多少無愛想であっても痛みなく検査してくれる医師のほうがいいはずです(私のことではありません)。

なお、当院では痛みのない内視鏡検査を心がけていますので、大腸内視鏡検査が初めての方や、過去に検査をした際に一度でも痛い思いをしたことがある方はぜひご相談ください。

まずはお気軽にご相談ください。

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近間 威彦
ちかま たけひこ

さっぽろ駅前内科・内視鏡クリニック院長。内視鏡による胃や大腸の検査・治療を得意とし、これまで携わってきた長年の診療経験から、大腸がんが原因で亡くなる方を減らしたいと常日頃から技術の向上と情報発信に努めている。

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